されている。ちなみに、シカ投資信託ゴIMMベースで円ロング・ポジションが観測されたのは昨年6月以来のこと。 一方で、わずか2カ月ほど前には15万枚を超え、過去最高とも言われた円ショート・ポジションの残高を記録していたことからすると、マーケットのセンチメントが激変したと言って良い。 いずれにしても、このデータから言えるのはドル円相場が一時111円台まで円が急騰したような円高圧力は、殺がれているのかも知れない。少なくとも、円高の背景として良く使われてきた「円キャリーFXトレードの巻き戻し」―については、完全にポジションが整理されたと言わざるを得ない状況にある。(ひのえうま) 一段落つくまで3〜4カ月かかる 98年の悪夢を再検証 サブプライムショックに端を発した信用バブル破裂も、FRB公定歩合引き下げといった具合に政策日経225当局が対応に動き始めたことでさすがに一息ついた形になっ外国為替証拠金取引ている。では今回との類似性が注目されている98年と比較するとどうか。第1回利下げの後も、当局の本音は不安で一杯だったようだ。 98年の場合、大手ヘッジファンド危機を軸にまず展開したが、主役となったLTCM救済策は9月下旬にまとまり、それを受けてFRBは9月末のFOMCで第1回利下げを決定した。しかしこの直後は、まだ不安で一杯だったようだ。 この年の10月初、ワシントンでG7が開かれたが、朝食会でスピーチに立った当時のFRB議長、グリーンスパンは開口一番、こんなふうに語ったという。「モーニング。普通こんな席での最初の言葉はグッド・モーニングとするが資産運用、今朝はとてもグッドなんていう気にならない」。つまり、第一次利下げ後もまだそれほど緊張していたようなのである。 実際に、為替における「最悪事態」は、まさにこの後起こる。G7終了を見極めたように、10月6日から8日にかけてのわずか3日間でドルは対円で25円もの大暴落に向かった。そしてこういった中で、FRBも定例FOMC以外での第二次利下げに10月中踏み切り、さらに11月も、3カ月連続利下げへ動いたのである。 このようなFRBによる「電光石火」の動きに対し、当時の経済専門紙、英FT紙は驚嘆を込めて「FED EXPRESS」と書いたが、そういった中でようやく98年の金融危機騒動も収拾に向かっていった。つまりほとんど一段落つくまで3〜4カ月かかったのである。これを参考にすると、今回も全体が落ち着くまで数カ月程度は想定する必要があるのではないか。 ところで、98年の場合、為替は8月から10月にかけて147円から111円まで何と30円以上もの大暴落となったが、この時協調介入はおろか日本政府の単独でも介入はなかった。介入が実施されたのは、年明け後に再開したドル安が110円割れに向かった局面でのことだった。これを見ると、今回も当面の介入はまず考えにくいし、為替へG7が対応できることは限られるのではないか。 =蒼い稲妻= バックナンバーへ 2007-08-30 2、3年後にバブル発生 世界的な資金供給リスク 今回発生したサブプライムローン問題による、一連の金融危機はおよそ10年ぶりという衝撃的なものであった。これは筆者の思い込みでもなんでもなく、一例を挙げると通貨オプション市場において1カ月物ボラティリティ(変動率)が30%超をつけ、98年あのLTCM破綻以来の高水準をつけたことにも示されていると思われる。 さて、そんなサブプイラムローン問題が引き起こした金融危機はいったいどこに向かうのだろうか。 足元の市場で問題になっているサブプライムローン問題を取り巻く市場環境と、前述98年に起こったロシア危機、ヘッジファンドLTCMの破綻の際の展開が似通っているという声が一部で聞かれている。その本質的なものはともかくとして、98年のケースでも今回同様に流動性の危機に陥った先があったため、断続的な資金供給が観測されているほかFRBが緊急利下げを実施している。当局の行動という面でも前回と今回は確かに似ていると言える。 まだ当面はサブプライムローン問題がマーケットのイシューになりそうだが、ここで検討したいのは短期の話ではなく、中長期の話について。やや先走り過ぎのキライもあるけれども、「サブプライム問題のその後」―と言うことについて考えてみる。 98年ロシア危機のその後の展開を振り返ってみると、先ほど指摘したように当局が資金をジャブジャブに供給した結果、ある意味では当たり前なのだが、金融市場ではいわゆる「バブル」が発生した。00年の米国でいわゆる「ITバブル」と呼ばれるものがあったことを覚えている方も少なくないように思う。 したがって、今回についてもサブプライムローン問題が終焉したあと待っている危険性のあるものは「バブル」の発生そして破裂になるだろう。どこの国で発生し、そして破裂するのか、などといったことはまったく判らないが、中央銀行の動きや株価動向などを参考にすると一部の欧州諸国かあるいは中国が最有力候補であるように思っている。 いずれにしても、過去の経験則からすると2、3年後にはそれの訪れる可能性はほぼ確実であると思われるため、先々のリスク要因ということで是非とも頭に入れておいていただければと思う。 (鹿の角) 2007-08-28 市場心理好転したか 大胆に買い向う準備中 マーケットは先週大きく戻した。ドル円は111円台の安値から116円台を見るレベルまで、日本株も16000円台を回復した。 今後は、この1週間をこの1カ月くらい続いたサブプライムローンに関するファンダメンタルズ悪化によってマーケットが崩壊していく中での「戻り」に過ぎないのか、それとも基本上昇トレンドの中の、サブプライムローン問題での下落が「あや」にすぎず、今週の戻りこそが本来のトレンドである、という見方を取るかで大きく変わってくるだろう。 端的に言えば、ドル高・株高・金利高といった景気拡大型ファンダメンタルズに戻るのか、ドル安・株安・金利安といった信用収縮による環境悪化を予想するか―である。 ポイントは3つ。第一に、サブプライムローンに端を発した景気後退予測の深刻度。米国の不動産市況を除けば、ファンダメンタルズはまだ強い。すなわち、企業収益や予想EPSからみた株価はまだ本格的なバブル崩壊レベルまで到達していなかった。端的に言えば、日本株の89年末の状況というよりも87年、あるいは88年の方が近い。つまり「本当に買われすぎるまで」株価は上昇トレンドに戻る、といったほうがより妥当である。 トレンドの乖離という点では、為替相場にも同じことが言えるから、第一の点においてはファンダメンタルズの大きな後退は予想しにくい。 第二点は、各国中銀の協調体制である。実は細かいところでは色々と微妙な空気も流れていたものの、最終的にはCDO、RMBS市場は機能不全に陥りかけ、それが銀行間のプレミアムにまで転じた段階で、各国中銀は協調して資金供給を行い、FRBは利下げ、日銀は利上げを見送った。ECBの利上げもおそらく遅れることだろう。 第三の点が一番やっかいであるが、投資家心理の好転である。一番早いのは相場が戻ることであるが、「自分以外の誰か」がバイヤーになって登場してくるのが分かれば、案外簡単に相場に戻ってくる。その意味では、ガイジン売りに買い向かった個人投資家の姿は随分好ましく、また頼りになると思われたことだろう。 筆者としては、慎重にしかし徐々に大胆に買い向かう準備を進めたいものだ。(石上) 為替市場はハリケーン到来時期に荒れる 外人 日本株売りたい ご存知の方もいると思うが、為替市場では「ハリケーン到来の時期の為替市場は荒れ易い」というジンクスがある。つまり夏の終わりから秋口の価格変動について注意を喚起したものと言える。 古い話を持ち出せば87年の「ブラックマンデー」や98年の「ロシア危機(LTCM破綻)」など、何故かこの時期には大事件が起こり易い。 翻ってみると、先週は「ディーン」と言われる今年初のハリケーンが発生しているが、一方でそれを前後してサブプライムローン問題で金融市場が大荒れの展開を辿っている。遅きに失した感もあるが、そうした面ではジンクスどおりの相場であった。 ただし、前者ハリケーンに関していえば、これからが本当のシーズンだ。金融市場の荒れ模様はまだしばらく収まらず続く可能性もある。 輸出企業の為替先物予約、つまりドル売りの意欲は相当に強いようだ。 聞くと理由は幾つかあるようで、まずは一時124円台まで進行したドル高・円安局面で、さらにドル高が進行するだろうとの相場感もあり、為替手当てを「ラグズ(ワザと予約の実施を見送ること)」したため、絶対的な手当てそのものが遅れていることの影響が小さくないという。 加えて、足元の115〜116円台は多くの輸出企業にとって社内レートに相当しており、そこまでドルが反発に転じてきたことも積極的な為替予約に寄与している模様。 もちろん、ヘッジファンドであれ中銀であれ、誰が相場を抑制しようと勢いがつけば、抜けていくときには抜けていくもの。とは言え、まだ当面116、117円程度でドルの上値がかなり重い状況の続くことだけは間違いないように思っている。(ひのえうま) あの時の10月のドル安は凄かった 98年の悪夢が甦る 先週からの急激な為替の動きにより、2日で20円もの記録的なドル大暴落を演じた「98年10月の悪夢の相場」再来が注目を集めている。実際それはどんなものだったのか。 98年の相場は、まず8月ロシア・ルーブルの突然の切り下げから幕を開けた。この後から、金融市場はにわかに騒がしくなる。 主役の一人を演じたのは、大手ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネージメント(LTCM)。ノーベル経済学賞を受賞した2人の学者が中心に運営している「必勝のヘッジファンド」が、債券の裁定取引や円キャリー取引等で巨額の損失を抱えているといった疑惑が広がると、信用不安はまさに燎原の火のごとくに広がりはじめた。 ここでもう一人の主役として登場するのは、世界の金融市場の首都、NYの番人であるNY連銀。NY連銀中心に、9月下旬、LTCM救済策がまとまる。そしてそれを受けて、FOMCは9月末第一次利下げに動き、信用不安の沈静化を目指したのである。 しかし、こういった動きに為替市場は大きく反応した。そもそも8月まで147円といった具合に記録的な円安・ドル高が展開していたため、その反動の影響も大きかった。信用不安拡大に伴うリスク回避と、米金利低下期待の中でドル安・円高は急加速。147円を記録した8月11日からちょうど1カ月後の9月11日には